増福寺と小渡の町
人口300人に満たない小渡(おど)という小さな町に、風鈴寺と呼ばれる増福寺は建立されています。この地域は古来より足助、明知、岩村を結ぶ交通の要所となっている宿場町であったと言われています。
矢作川の恵みを受け、縄文時代の頃より人の営みがあり、小渡薮下遺跡、小渡広畑遺跡から出土品が多数発掘されています。
戦国時代には松平勢(徳川)、今川勢、武田勢の争いに巻き込まれ、旧旭町:日下部町の猿ヶ城(日下部城)では武田勢に攻め込まれた際に戦死した人を弔った【千人塚】や【血の川】の名称が残っています。
江戸時代以降は民間信仰が盛んになり、各地区で多くの祭事・講が行われました。他の地域に比べ石仏が多いのが特徴で、元禄時代前後より始まり江戸時代中期以降、特に多く造られました。
江戸時代後期には日本全国で四国・西国・秩父などの霊場巡りが盛んになり、小渡をはじめ近隣地域でも多くの霊場を模した石仏が造られました。
また小渡と隣接する下切町、島崎町では【三河森下】【三河森】と呼ばれる和紙が漉かれておりました。主に傘やカッパに使用された非常に丈夫で有名な和紙でしたが、洋紙の普及に伴い絶えています。
近代では、江戸時代より矢作川からの大量の土砂に悩まされていた水害を無くす為、昭和37年(1962)より矢作ダムの建設が始まり。工事関係者の宿泊などで町は大いに賑わいました。
撮影場所:和食しろきや様 店内
2003年。地区の青年部や町の方々の力で町おこしの一環として【小渡夢かけ風鈴】が始まりました。
他にも8月15日には、ふんどし姿の男たちが2メートルの松明を持って街中を駆け巡る【小渡天王祭】や【奥矢作温泉郷花火大会inあさひ】などが行われ、低料金での浴衣の着付けなどのサービスも行われています。
地域には温泉に入ることができる旅館から、地元産の鮎だけを提供する飲食店。和菓子屋、農産物直売所など、永らく営業している地元のお店ばかりです。大手フランチャイズのお店はコンビニ以外にはありません。
近隣には有名な【上中のしだれ桃】や、【お須原山園地 縁結び岩】【矢作ダム】家族や友人とBBQや動物と触れ合える【愛知高原国定公園 旭高原元気村】、【おど観光やな】など一日楽しめるスポットがあります。
【上中のしだれ桃】